Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度は,前年度にて有効性を確認した高品位触覚提示手法を用い,食感増強装置を製作した.まず,本手法を吸飲感覚提示について行った.装置自体は前年度にプロトタイプを製作していたが,制御の安定性を向上させ,旧装置との比較実験を行うことでその提示能力を具体的に確認した.また,異なる吸飲力に応じた提示を可能とする手法を導入した.その際,初年度で行った音声の多段階記録・吸飲力に応じた切り替え手法を応用し,有効性を確認した.この際,リアリティだけでなく吸飲することに対する楽しさが大幅に高まるという副次的効果が認められた.これは,食の楽しさがその動作にも大きく関わっているという重要な示唆を与えている.これらの成果から,従来装置と比較して精度・自由度共に大きく向上した食感増強装置を高品位触覚提示手法によって実現し,食動作と食の楽しさの関連性を見出した. 次に,触覚における新たな効果の模索として,映像におけるスローモーション再生効果を触覚にも適応する試みを行った.今回は,物体が衝突した際の振動に対して行った.方法は,物体の衝突振動を高サンプリングレートで記録し,それを任意の再生速度で再生するというものである.提示には,高品位触覚提示手法を導入した装置を使用した.実験の結果,映像におけるスローモーション効果と同様に「感動」という感性要素と「判別」という解析要素が共に向上するという結果を得た.また,この試みは2つの学会で賞を受賞するなど,高い評価を得た.この成果は,食感覚を実際の食品に重畳し,拡張食体験を実現する上でその効果を高める可能性を有しており,本研究課題にとって有用な知見であると言える. これまでの研究活動で,食感の増強に関するメドはある程度立てることが出来た.また,食感重畳による拡張食体験についても実験により効果が望めることは確認している.今後は拡張食感の実用化を目指していく予定である.
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