mRNA分解酵素複合体CCR4の、細胞増殖における遺伝子欠損マウスを用いた解析
Project/Area Number |
07J10802
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 斉弘 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | デアデニレース / mRNA / CCR4-NOT複合体 / 細胞増殖 / p27Kip1 / メタボリックシンドローム / p27Kipl |
Research Abstract |
現在まで、遺伝子発現制御機構は、転写制御を中心に解析されてきた。近年、mRNA安定性などの転写後の調節においても多くの知見が得られ、CCR4-NOT複合体はmRNAのポリ(A)鎖を分解しmRNAの安定性や翻訳効率に影響を与えていることが明らかとなってきた。しかしながら、mRNAのポリ(A)分解の詳細な制御機構はまだ明らかにされていない。本研究では、この複合体が、デアデニレース活性を通して生命個体に、特に細胞増殖にどのように影響しているかを明らかにすることを目的としている。 本年度は、複合体因子のCNOT6LやCNOT6、またCNOT3の生理機能を明らかにするために遺伝子欠損マウスの解析を進めている。CNOT3遺伝子ヘテロ欠損マウスは痩せており、糖代謝を調べるためにグルコースを腹腔内に注入し、その後の血糖値の変化を測定したところ、素早い血糖値の低下が見られた。CNOT3遺伝子ヘテロ欠損マウスは、食餌摂取量に異常は見られなかったが、エネルギー消費量を調べるために酸素消費量を測定する実験を行ったところ、CNOT3遺伝子ヘテロ欠損マウスは野生型に比べ20%ほどの酸素消費量の亢進がみられ、その他の解析により、基礎代謝が亢進していることが明らかとなった。以上の結果より、CNOT3遺伝子ヘテロ欠損マウスは、生体エネルギー代謝が消費の方へ傾いておりエネルギーバランスが異常であることを明らかにした。このマウスに肥満を誘導するために高脂肪食を負荷したところ、野生型に比べCNOT3遺伝子ヘテロ欠損マウスは肥満に抵抗性を示すことが明らかとなった。よってCNOT3がエネルギー代謝に重要な遺伝子であることが明らかとなった。CNOT6L遺伝子欠損マウスにおいては若干の体重の低下が見られた。このヤウスに肥満を誘導するために高脂肪食を負荷したところ、野生型に比べCNOT6L遺伝子欠損マウスは肥満に抵抗性を示すことが明らかとなった。本年度の研究結果、遺伝子欠損マウスの解析によりこの複合体がメタボリックシンドロームと関与していることを新たに発見した。生活習慣病は現代において最も注目されている疾患の一つであり、この発見は今後のCCR4-NOT複合体研究の礎となると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)