Project/Area Number |
07J10822
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松 一生 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 高圧 / 単結晶中性子回折 / 含水鉱物 |
Research Abstract |
高圧下での単結晶中性子回折実験技術と解析手法の開発は昨年度から継続して行っているプロジェクトであるが、今年度は顕著な進展が見られた。2008年6月にフランスの原子炉中性子施設ILLで行った実験で、単結晶中性子回折としては世界で初めて10GPa(1GPaは約1万気圧)を超える圧力でのデータ取得および構造解析に成功した。申請者の渡航先であるエジンバラ大学極限科学研究センターでは、数年前から、英国およびフランスの強力な中性子源および独自の高圧セルを利用して、3GPaの壁を超えるための技術的開発を行ってきた。そして、昨年ごろには10GPaを超えるための実験技術の基盤が確立し7GPaまでの回折実験に成功していたが、今年は当初の目標であった10GPaを超えることができ、さらに30Kまでの低温下における高圧実験にも成功した。また、精密構造解析を行うための各種補正プログラムの開発を申請者が中心となって実施し、取得された高圧下のデータから構造情報を取り出すことができた。10GPa,30K-300Kまでの温度圧力範囲の中性子単結晶回折実験が可能になったことにより、2次元水素結合ネットワークを持つ四角酸(C4O4H2)という化合物について、新たな知見が得られた。四角酸は、常圧下でもすでに強い水素結合を持っており、10GPaまでの比較的低圧下で水素が水素結合の中心に位置する対称化過程を観察できる可能性のある物質として長い間物性分野で注目されてきた。しかし、四角酸はその対称性から粉末試料からの中性子回折データでは構造解析が不可能であった。今回、申請者らが開発した高圧下単結晶中性子回折法により、対称化にいたる過程での水素原子位置分布についての直接的かつ詳細な情報を得ることが可能になった。現在は、これらの成果を原著論文としてまとめる作業を行っている。
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