新規トリフェニルアミンラジカルカチオンを基盤とする有機磁性体・伝導体の開発
Project/Area Number |
07J10876
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
倉津 将人 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 分子磁性体 / 有機-無機複合磁性体 / 酸素架橋トリフェニルアミン / X線結晶構造解析 / 磁化率(SQUID) / 磁気熱容量 / 逐次相転移 / ラジカル置換ラジカルカチオン / フェリ磁性体 / 弱強磁性体 / 磁化率 |
Research Abstract |
昨年度は、酸素架橋トリフェニルアミンラジカルカチオン塩を中心に、計7種類の磁性体を見出した。今年度は、得られた7種類の磁性体を含め、合成した各種の塩について比熱の測定を含め、磁気的挙動の詳細について検討するとともに、新たなアプローチによる磁性体の創出を目指した。ラジカル置換基を持たない酸素架橋トリフェニルアミンラジカルカチオン塩については、昨年度に3種類の反強磁性体を見出したが、比熱の測定を行うことでさらに2種類の反強磁性体を見出すことに成功した。同様に、ニトロニルニトロキシド置換酸素三架橋トリフェニルアミンのラジカルカチオン塩については、1種類の反強磁性体を新たに見出すとともに、昨年度に合成した塩化鉄塩が弱強磁性体から反強磁性体への二段階の逐次相転移を示す非常に珍しい化合物であることを発見した。逐次相転移は一部の金属化合物に特徴的なものであり、有機化合物を主成分とする化合物では初めての例である。また、メチルチオ基やメチルセレノ基を導入した酸素三架橋トリフェニルアミンラジカルカチオン塩を新たに合成・検討し、弱強磁性的性質を有する反強磁性体を2種類見出した。さらには、酸素三架橋トリフェニルアミンに安定ラジカルであるt-ブチルニトロキシドを3つ導入した化合物の合成にも成功している。既に有機アクセプターとの塩の形成が示唆されており、純有機磁性体の構築が期待される。また、新たな磁性金属錯体への展開も可能となる。今年度までの研究で、トリフェニルアミンラジカルカチオン塩を基本骨格とする磁性体を計12種類見出し、ラジカル導入などの分子修飾により従来にない新規物性を発現することを明らかとした。また、新しい高スピン種を合成し、今後の展開の基礎を築いた。
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Report
(2 results)
Research Products
(27 results)