結合的言語処理モデルに基づく外国語教育教授法の研究
Project/Area Number |
07J11189
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Linguistics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 慶 Tohoku University, 大学院・国際文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 人間の言語処理 / 作業記憶 / 理論言語学 / 心理言語学 / fMRI / 統語論 / 心理物理実験 / 機械学習 |
Research Abstract |
本研究では、人間の言語メカニズムの解明を通してそこで得られる知見を外国語教育に生かすことを目標としており、また、その研究手段としても、言語学、心理学、脳科学、計算機科学の学際的手法を採用している。本年は前年の研究によって得られた、語順が文の自然さに影響を及ぼすという心理実験の結果を踏まえ、処理時間の影響により作業記憶中から依存関係などの言語情報が減衰しているという仮説をもとに、文理解における情報想起について特有な神経基盤が存在するかどうかについてfMRI実験を行った。実験の結果、単語や文字といった、音韻情報処理に関しては時間的に先に覚えたものと、後に覚えたものとの間で有意な脳活動の差が見られなかったのに対して、文課題については、時間的に早く処理した項を想起するほうが、時間的に後に処理した項を想起する場合よりも反応時間上で長く時間がかかり、また、fMRIデータにおいても、左半球の中前頭回において有意な賦活がみられた。このことから、文処理における作業記憶の関わりは音韻情報とそれとの関わりとは異なり、音韻情報は処理時間経過による影響よりも、むしろ想起するまでの障壁に敏感であるのに大して、文処理過程では、処理時間経過が、依存関係をけじめとする言語情報の想起に影響するということが明らかになった。このことは6月に脳科学の国際学会であるOHBMにおいて発表し、現在論文化を進めているところである。一方、fMRI実験の前に行った心理実験結果については、学術誌「国際文化研究15巻(東北大学国際文化学会)」に掲載予定である。 文理解中における言語情報の減衰が示唆されたことに基づき、未入力である言語情報がどのように予測されるのかについて着目した。予測処理は文処理上においても重要な役割を果たしていると考えられる。そこで、本研究において着目している作業記憶との関わりから、文処理中においてどの時点で予測処理が起こるのかを今後は脳波計測により明らかにすることが今後の課題として考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)