Project/Area Number |
07J11360
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山城 秀昭 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ラット精子 / 耐凍能 / 受精能 / ラフィノース / 乳酸 / ATP / dbcAMP / mKRB |
Research Abstract |
ラットは、生体機能モデルや疾患モデルとして利用される重要な実験動物である。しかし、多種多様なラット遺伝資源の効率的確保、安定した供給や保存において極めて重要な技術である精子の凍結保存技術は未だ実用化に至っていない。それ故、ラット精子の凍結保存技術の開発は急務となっており、その技術が実用可能になれば、開発の意義は計り知れない。そこで本研究では、極めて困難であるとされるラット精子凍結保存法の開発と凍結精子による体外受精技術の確立を目的として実験を行った。その結果、1)概知のラクトース卵黄保存液に代わる新たな精子の凍結保存液として基盤となる、ラフィノース・卵黄-修正クレブス-リンガー重炭酸液(modified Krebs-Ringer Bicarbonate;mKRB)保存液を開発した。2)ラット精子のエネルギー利用と供給に着目した、乳酸、およびエネルギー源であるATPを添加したラフィノース・卵黄-mKRB凍結保存液を改良した。3)精子運動活性化作用を有する物質に着目し、精子内のcAMP濃度を上昇させる効果のあるdbcAMPをさらに添加したdbcAMP・ATP・乳酸・ラフィノース・卵黄-mKRB保存液を開発した。4)新鮮精子を用いた体外受精および培養法において、ATPおよびdbcAMPを添加した受精培地を改良・開発し、従来の方法に比較して、高い受精率と胚の発生率を得ることが可能になった。さらに、凍結保存した精子においても、開発した受精培地を用いることにより、受精可能であることを証明した。以上、本研究において開発されたラット精子凍結保存法は、精子の凍結保存に有効な技術であるはかりではなく、保存精子を用いた体外受精においても有効な技術であることを示した。これらのことから、本研究の新たな知見と技術は、重要な実験動物であるラット遺伝資源の効率的維持、保存や安定した供給のため貢献するものである。
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