中世仏教絵巻の諸相とその制作・享受・交流の場に関する調査研究
Project/Area Number |
07J11818
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
土屋 貴裕 Tokyo National Museum, 文化財部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 絵巻 / 日本中世 / 歴史認識 / 様式史 / 天狗草紙 / 釈教三十六歌仙絵 / 是害房絵 / 遊行上人縁起絵 |
Research Abstract |
本研究は、中世仏教絵巻を様々な主題や媒体の視覚表象、さらには詞書やその典拠となったテクストの仏教思想から多角的に検討することで、中世仏教絵巻の制作と享受の実態や、仏教絵巻をめぐる様々な文化的交渉を明らかにすることを目的としている。本研究により、中世における絵巻制作の営みの歴史的な位置を明らかにし、絵巻/絵画作品の果たした社会的機能を再考する。 研究初年度にあたる平成19年度は、鎌倉時代後期から南北朝期の作品を中心に、その考察を深めた。 作品調査に関しては、上記の時代を重点的に、さらに問題関心を共有する中近世絵画の調査を国内外において行うことができた。現在修復中であるとの理由等から、実作品の調査の叶わなかった作品もあるが、それを除いでは概ね当初の計画通りに進めることが出来た。調査を行った主な絵画作品は以下の通り。「遊行上人縁起絵」(大分県永福寺)、「遊行上人縁起絵」「北野天神縁起絵(弘安本)」「業兼本三十六歌仙絵断簡」「土蜘蛛草紙」(東京国立博物館)、「是害房絵」(泉屋博古館)、「駿牛図」「長谷寺縁起絵」(シアトル美術館)、「北野天神縁起絵(建治本)」「春日曼荼羅」(サンフランシスコアジア美術館)、「天稚彦草紙」「春日宮曼荼羅」(ベルリン東洋美術館)、「聖徳太子伝絵」「増賀上人行業絵」(チェスター・ビーティー・ライブラリ)。とりわけ、本年度の研究対象となる時代の絵画作品を集中的に実見できたことで、従来の研究では手薄であった鎌倉中期から南北朝期頃の様式史的研究に新知見を提示できる見通しが立ったことは大きな成果として特筆される。 また、以上の作品調査のほか、米国で開催された国際会議での口頭発表の機会を得た。本年度の成果を盛り込みつつ、本研究の全体の方向性をも提示することができた。その成果は、会議の中での意見交換やその後の新知見を交えた上で、同会議の報告集に掲載された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)