Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
我々の得ている環境電磁波観測信号の物理モデルから,入出力に非負の制約を設けるNMFを用いて大域信号の推定および局所信号の抽出を試みた.従来研究の地震検出手法を大規模に適用した結果,提案した異常評価値が地震の発生と相関をもつこと,局所信号が検出精度を向上させることが分かった. 前年度において,外れ値に対して頑強な解析を期待して,近似的なL1ノルムを最小化する新しい信号分離アルゴリズムを提案した.実際に外れ値に対して頑強であり,大域信号の推定精度の向上にも成功したが,大域信号以外の源信号(地震に関連する信号など)の推定に難があった.その原因が局所解の遍在と考え,更新アルゴリズムに非負制約を導入した.シミュレーション実験の結果,大域信号に関しては従来手法に及ばなかったものの,それ以外の源信号は従来手法以上の精度で源信号を推定できることが分かった. 大域信号と局所信号の分離に関しては,信号のフラクタル次元に着目して地震前兆検出を試みる石塚博基氏の研究において,フラクタル次元の異常の要因を調査する際に用いられた.局所信号のフラクタル次元の変動幅は観測信号そのものから測るよりも大きくなった. これらの研究の傍ら,大域信号の観測強度を関数化する研究を高井弘昭氏と共同で進めた.この研究は,電磁波の伝播に大きく影響する電離層の構造を,太陽の方向を基準とすることで不動のモデルに置き換え,そのモデル中の観測点位置を伝播経路情報とみなし,観測強度を推定する関数への引数とする.現在は再現できていると言い難いものの,電磁波放射源の位置を別の引数として切り離すなど,解決すべき課題を見いだせている.
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