Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
研究代表者は初年度および第2年度に確立した手法を用いて,Pb(Mg_<1/3>Nb_<2/3>)O_3-PbTiO_3(PMN-PT)結晶中の強誘電ドメイン構造について電圧印可その場TEM観察を行った.このPMN-PT結晶は非常に高い圧電特性を示すことが知られ,そのドメイン構造はナノスケール+ミクロンスケールの2段階の構造で構成されている.当研究の結果,あるしきい値より高い電界を印可した場合,ドメイン構造が可逆的な応答を示すことが分かった.電界の印可によりナノスケールドメイン界面の方位が変化し,それに伴いミクロンスケールのドメイン構造は消失することが分かった.また,この変化は電界の印可,開放に関して可逆的であり,電界を開放すると元のドメイン構造に復元した.ナノスケールドメインの界面は電界に対して,垂直になる傾向があった.このようなナノスケールのドメイン構造の電界に対する応答はこれまでには見られておらず,PMN-PTが示す高い圧電特性の発現に関して,重要な知見を与えると考えられる. 一方,研究代表者は分離膜や触媒等への応用が盛んなゼオライト材料の1つであるフォージャサイト(FAU)について,膜中にしばしば形成される双晶界面における安定な原子配列の理論計算を行った.計算は経験的な原子間ポテンシャルを用いた格子静力学法により行った.界面計算のモデリングでは界面における多数の自由度を網羅するため,片方の結晶を他方に対して少しずつ並進させたり異なる終端面の組み合わせを検討したりなどした.計算の結果,いくつかの安定な原子配列が得られ,そのうちの1つは実験的に見られるものと良く整合するものであった.この原子配列ではその局所的な構造が他のタイプのゼオライト(EMT)の結晶中の構造と非常に類似しており,そのことがこの配列が安定であることの1つの理由と考えられる.また,他の幾つかの配列では酸素原子で構成される環状構造が通常より大きいものや小さいものが見られており,そのような界面では分離特性などが変化することが考えられる.
|