ずり流動場が誘起する高分子がグラフトされた分子膜の粘弾性相転移
Project/Area Number |
07J12950
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
土木材料・力学一般
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
菅沼 有希子 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員DC1
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 国際研究者交流 / 非平衡物 / レオロジー / 分子集合体 / 非イオン正解面活性剤 / マルチラメラベシクル / 粘弾性転移 / エイジング / スウェーデン / 非平衡物理学 / 非イオン性界面活性剤 / 粘弾変化 / 粘弾相転移 |
Research Abstract |
本年度行なった研究は2つである。界面活性剤が形成するラメラ構造に、ずり流動場を印可すると、膜の曲げが誘起され、その結果多層膜構造(オニオン構造)を形成する。これらのオニオン構造は、系を100%オニオン構造で充填することが知られており、このときオニオンは多角形体に適合している。通常、この多角形体は多分散であり、無秩序に充填されているが、温度とずり速度を変化させると、形状と大きさが等しい、2次元の最密充填構造へと転移する。1つ目の研究では、非イオン正解面活性剤C_<12>E_4とD_2Oの混合系を用いて、オニオンの2次元最密充填構造の形成範囲を相図に示した。その結果、2次元最密充填のオニオン構造は、あるずり速度以上の、特定の温度領域でのみで観察され、その上下の温度範囲では、無秩序に充填されたオニオン構造が観察されるシンメトリックな結果が示された。また、最密充填されたオニオン構造は、無秩序なオニオン構造よりも5倍程度大きくなった。よって、この系においては、2次元の最密充填構造と、オニオンのサイズが密接に関係していることが分かった。 メソスケールでの構造転移は、マクロスケールでの粘弾性転移を誘起する。高分子の粘弾性については、現在まで多くの研究が成されてきているが、オニオン構造の粘弾性については、未だに良くわかっていない。2つめの研究では、オニオン構造の粘弾性挙動を、線形領域、非線形領域の両領域において調査した。 まず、振動測定により貯蔵弾性率G'と損失弾性率G"を測定した。その結果、弾性挙動を表す貯蔵弾性率G'は振動数にほぼ依存せず、損失弾性率G"の10倍程度の大きさであり、オニオン構造は弾性的な性質を持った物質であることが分かる。一方で、ずり応力を段階的にゆっくり上昇させていくと、降伏応力より小さい範囲で求められるずり弾性率G_yは、貯蔵弾性率G'の1/3程度の大きさである。G_yとG'は測定時間が異なる弾性率Gと近似でき、長時間のタイムスケールで弾性率Gは減少するため、オニオンは、非常に長時間のタイムスケールで流動的な性質を示すエイジングの性質を持つことが分かった。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)