Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
大腸内でポリアミン濃度を上昇させるためには、腸内細菌の持つポリアミン放出系とポリアミン吸収系の双方を制御する必要がある。そこで、今年度はモデル生物大腸菌を用い、ポリアミン放出系とポリアミン吸収系の同定を進めた。その結果、吸収系と放出系共に新規のものをほぼ同定した。吸収系すなわちインポーターについては、YeeFが新規プトレッシンインポーターであることが確認された。YdcSTUVについては嫌気条件で作用するインポーターであることを示すデータを得ており、腸内環境下での作用も期待でき、現在詳細に解析中である。プトレッシン放出系については、大腸菌網羅的遺伝子破壊株コレクションから輸送系遺伝子破壊株について158株を取得し実験を試みた。その結果、細胞プトレッシン濃度が他と比較して著しく低いsapD破壊株、sapF破壊株を見出した。sapDとsapFはsapBCDFオペロンを形成していたので、現在sapBCDFオペロンに注目して、遺伝子破壊株、遺伝子相補株を作製し、細胞外ポリアミン濃度を測定したところ、遺伝子破壊株では細胞外プトレッシン濃度が低く、野生株、遺伝子相補株においては細胞外プトレッシン濃度が高かった。また、大腸菌の主要なプトレッシン分解系の抑制因子である調節タンパク質PuuRがpuuDの上流域に結合することを明らかとした。このことは、PuuRのpuuDの上流域への結合を活性化する成分が重要なポリアミン濃度制御物質(腸管内でポリアミン濃度を上昇させる成分)となりうる可能性を示唆している。
All 2009 2008 2007
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (8 results)
Journal of Bacteriology 191(in press)
FEMS microbiology Letters (in press)
Journal of Biological Chemistry 283
Pages: 19981-19990