ゼブラフィッシュ初期胚発生に関与するプロテインキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
07J13091
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
下村 幸子 Ehime University, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | プロテインキナーゼ / ゼブラフィッシュ / DCLK / Doublecortin-like protein kinase / 自己阻害領域 / 胚発生 |
Research Abstract |
細胞内情報伝達のKey Moleculeであるプロテインキナーゼ(PK)の機能に関しては、まだ明らかにされていない点が多く存在する。脊椎動物の胚発生過程では、限られた時間・空間において各組織が決まったルールに従って器官形成されるが、この過程もリン酸化を介したシグナル伝達機構によって厳密に制御されているはずである。しかし、胚発生過程のいつ、どこで、どの分子種のPKが器官形成に関与しているかはあまり分かっていない。申請者の所属する研究室では、PK間で高度に保存された触媒領域に着目し、PKを網羅的に検出することが出来る抗体を開発した。この抗体を用いてゼブラフィッシュ受精後72時間の胚からcDNAライブラリーを作製し、発現スクリーニングを行ったところ、4種類のPK遺伝子を取得することが出来た。その中でdoublecortin-like protein kinase (DCLK)に注目して機能解析を行った。 平成20年度までに、C末端領域が自己阻害部位であることが明らかとなり、C末の自己阻害領域を欠損させることにより高活性型zDCLKを取得した。平成21年度は、高活性型zDCLKを基質探索のツールとして用い、ゼブラフィッシュ脳抽出液中から内在性基質候補タンパク質:Synpsin IIを同定し、そのリン酸化部位やzDCLKとの結合などをin vitro, in vivoにおいて調べた。 その結果、Synapsin IIはzDCLKの触媒領域に結合し、zDCLKによって主に2箇所のセリン残基(Ser-9とSer-58)がリン酸化されることが確認された。次に、Synapsinタンパク質がシナプス終末部に多く存在することから、ゼブラフィッシュの脳からシナプトソーム画分を分画し解析を行ったところ、zDCLKがSynapsinタンパク質と同様にシナプトソーム画分に多く存在しており、他のSynapsinファミリータンパク質よりもSynapin IIと効率良く結合し、zSynapsin IIを好んでリン酸化することが判明した。これらの結果から、zDCLKは中枢神経のシナプス周辺に局在しており、SynapsinIIのリン酸化を介して神経伝達物質の放出などの機能に関与する可能性が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)