Project/Area Number |
07J13234
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social welfare and social work studies
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
高城 いつ香 (2008) Kumamoto Gakuen University, 社会福祉学研究科, 特別研究員(DC2)
永野 いつ香 (2007) Kumamoto Gakuen University, 社会福祉研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 水俣病事件 / 水俣市茂道 / 漁村 / 歴史 / 生活史 / 地域変容 / 聞き取り調査 / 差別の意識構造 / 水俣学 / 差別 / コンフリクト / ライフヒストリー / コミュニティの変容 / アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究の目的は、公害被害に伴う被害者差別の生成機序と水俣病に対する差別の意識構造を解明することである。水俣病事件史上の出来事が、どのように地域コミュニティに反映し差別を生み出すのか、その発生機序を突き止め、水俣病に固有の重層的な差別構造を明らかにしたいと考えた。 水俣病事件が地域コミュニティに与えた影響を、具体的に記録した文献は皆無に等しい。そこで、水俣病多発地区のなかでも固有の歴史を持つ「茂道」(漁村)に焦点を当て、住民の生活史を中心とした長期滞在型の聞き取り調査を実施した。茂道がいつから存在し、どういった経緯で水俣病多発地域となり、茂道住民がどのような歴史を辿ってきたのかを明らかにすることが目的である。まず、2004(平成16)年より開始している聞き取り調査で収集してきた、50〜90歳代の茂道地区住民20名の茂道地区住民が語った個人の生活史や水俣病事件にまつわるエピソードをもとに、オリジナルの茂道史年表を完成させた。次に、年表をもとに、茂道の歴史的形成過程から1995(平成7)年の政府解決策までの歴史を執筆した。だが、内容の検討を十分に行う必要があり、ヒアリングに関しても不十分な点があったため、今年度は、1956(昭和31)年の水俣病発生までを射程範囲として、研究ノート「水俣市茂道における地域変容と住民の生活史」を完成させ熊本学園大学の紀要に投稿した。ここでは、住民の証言と行政資料から「明治以降の漁村形成の過程」「戦中・戦後における新たな移住者」「海の汚染による魚場の破壊と住民の生活破壊」など、地域が変容していく過程を確認することができた。今後は茂道史を完成させた上で、水俣病に対する差別の発生機序及び差別の構造について解明していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)