欠失変異体の適応度データに基づく遺伝子欠失の進化過程の解析
Project/Area Number |
07J40097
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
楠見 淳子 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Keywords | 酵母欠失系統 / 適応度 / 欠失変異 / 偽遺伝子 / 針葉樹 / クロロフィル合成 / プロトクロロフィリド |
Research Abstract |
I;酵母欠失系統の「適応度」データを用いた解析 多対立遺伝子モデルの下で新規の有利な遺伝子が集団中に固定するときの優性の度合い(Dominance)の効果をシミュレーション解析した。劣性のアレルに比べ、優性のアレルは固定待ち時間が短く、固定確率もわずかに高いことが示されたが、自然集団でどれほどの効果があるかは疑問が残った。現在は有害突然変異が起こるモデルのもとでのシミュレーション解析が進行中であり、この結果から平衡状態での優性の度合いの分布を明らかにするともに、酵母欠失系統の「適応度」データを用い検証する。 II;プロトクロロフィリド還元酵素、DPOR、LPORの解析 <光合成細菌Rhodobachter capsulatusに導入する発現ベクターの作製>ch1B,ch1L,ch1NのORFを含んだ発現ベクターを作製し、R.capsulatusに導入したが、活性測定に充分な蛋白量を得ることができなかった。光合成細菌の細胞内では針葉樹由来のDPOR蛋白質の安定性が低くなっていることが原因と考えられ、今後の検討を要する。 <プロトクロロフィリド(Pchlide)の測定>クロベ、カラマツが暗所でクロロフィルを合成できない原因がDPORの活性そのものにある場合、基質であるPchlideが暗所芽生えで蓄積していると予測された。そこで、これら植物の暗所芽生えの色素の測定を行ったところ、Pchlideの過剰な蓄積が見られた。塩基配列解析、発現解析の結果とあわせて考えると、クロマツやクロベで起こったアミノ酸置換がDPORを不活性化していると考えられる。 <マツ科植物のch1遺伝子の分子進化学的解析>マツ科(約100種)のch1L,ch1B遺伝子についての配列決定が終了した。予備的な解析では、カラマツでアミノ酸置換が促進されていることは示されなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)