食餌のみで腸炎を起こす食物アレルギーモデルマウスの炎症誘導と寛容獲得機構の解明
Project/Area Number |
07J45206
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Food science
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
足立 はるよ (中嶋 はるよ) The University of Tokyo, 医科学研究所, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 食物アレルギー / オボアルブミン / 発症機構 / 腸管免疫系 / 腸間膜リンパ節 |
Research Abstract |
研究目的:食餌性に食物アレルギー様の症状を示すモデルマウスを用い、食物アレルギー性腸炎を中心とした炎症の発症機構と、寛容獲得機構を解明する。このうち本年度は、このマウスに卵白食を投与した場合に炎症形成に腸管粘膜免疫がどのように関わるか検討することを主要な目的とした。研究方法:主要な食物アレルゲンであるオボアルブミンの323-339アミノ酸残基を認識するT細胞受容体のトランスジェニックマウスOVA23-3マウスを用い、餌中のタンパク質画分20%の全てが卵白からなる卵白食を投与する。その結果観察される小腸を中心とした炎症には、これまでの研究からTh2型T細胞の腸間膜リンパ節における活性化が主要な役割を果たすことを明らかにした。本年度は腸間膜リンパ節が必須であるかを検討する目的で、1、OVA23-3マウスより全身性の免疫応答を調節する脾臓を摘出、さらに腸管粘膜免疫系で重要な役割を果たすパイエル板を欠損させ、さらに腸間膜リンパ節を切除するマウスを作成し、炎症を誘導した。2、他のオボアルブミンの323-339アミノ酸残基を認識するT細胞受容体のトランスジェニックマウスであるDO11.10マウスで炎症形成を検討した。3、T細胞受容体トランスジェニックマウスではない、普通のマウスで同様のモデル作成を試み、そのマウスにおける腸間膜リンパ節の重要性を検討した。結果:脾臓を摘出したOVA23-3マウス、またパイエル板を欠損したマウスでも炎症は誘導された。しかし、パイエル板を欠損させた上で腸間膜リンパ節を切除したマウスでは炎症は誘導されず、昨年度の結果をあわせ、腸間膜リンパ節が炎症誘導に必須の役割を果たすことが明らかになった。DO11.10マウスでは卵白食投与に伴い、炎症は誘導されず、しかも腸間膜リンパ節における継続的なT細胞の活性化は観察されず、OVA23-3マウスに比し迅速に寛容が誘導された。また普通の遺伝子組替え動物でないBALB/cマウスを用い、Th2アジュバントであるAlumとともにオボアルブミンを免疫、卵白食を経口投与することにより、同様の系の作成に成功した。そのマウスでの腸間膜リンパ節の効果は検討中である。考察:炎症形成には、腸間膜リンパ節におげるTh2型T細胞の継続的な活性化が必須であることがあきらかになった。そこでその一般性を確かめるため、人為的にTh2型T細胞が継続的に活性化する状態を普通のマウスであるBALB/cマウスに誘導したが、T細胞受容体トランスジェニックマウスで観察された結果と同様の結果が観察でき、T細胞受容体トランスジェニックマウスで観察された結果は、一般性のある結果であることも確かめられた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)