Project/Area Number |
07J52333
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 功毅 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ストレス / 認知 |
Research Abstract |
心理社会的ストレス下で人がどのような認知を行っているのか、それは人々の意思決定にどのような影響を及ぼしているのかといった問題は、未解明の部分が非常に多い。本研究ではその解明を目的として、脳波(事象関連電位)測定と生理指標測定を用い、皮質における注意・覚醒ないしは行動剃御のメカニズムが、心理社会的ストレス下でどのように変化するのかを観察することを目的とした。研究1では、エラー認知時に生じるエラー関連電位(ERN)と呼ばれる、}像関連電位を指標として用い、その振幅が心理祉会的ストレス下でどのように変化するかを検証した。ストレス指標として同時に唾液中αアミラーゼを測定した。結果、まず心理社会的ストレスによって唾液中αアミラーゼ濃度ならびにERN振幅が心理社会的ストレス下で有意に増大した。しかしながら両者に相関は見られず、皮質における覚醒度と身体的覚醒度で異なる制御メカニズムが存在することが示唆された。 研究2、3では、心理社会的ストレス下で、経済学的意思決定課題に対する回答に変化が見られるかを検証した。研究2では、時間割引課題を用い、ストレス指標としては唾液中αアミラーゼを用いた。結果、ストレス反応と時間割引の間に負の相関が観察され、ストレス反応が高い人ほど将来における報酬の価値を大きく割り引くことが分かった。 研究3では、心理社会的ストレスが、独裁者ゲームの回答パターンにどのような変化を与えるかを観察した。独裁者ゲームは、他者に対する報酬分配を通じて、社会的交換場面における寛容さを測定する指標と考えられている。ストレス指標としては再びαアミラーゼを用いた。結果、ストレス反応を生じる人(アミラーゼ濃度の上昇が見られた人)は、反応が見られなかった人と比べて有意に報酬を他者に分配することが分かった。心理社会的ストレスによって、他者に対する寛容さが強められた可能性を示唆している。
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