Project/Area Number |
07J53093
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 淳 Keio University, 法学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 政治過程 / 選挙 / 投票 / 候補者 / 公約 / 国会 / 議事 / 市民意織 |
Research Abstract |
本研究の知見や結論として主に4点挙げられる。第1に、選挙における候補者の政策公約について、多くの政党では同じ政党の候補者同士でも各争点に対する主張に概ねばらつきがあり、また二大政党の候補者間にみられる主張の違いの程度が選挙区によって大きく異なっている。よって、候補者の主張は選挙制度改革以降も明確に政党ごとにまとまっておらず、各選挙区での二大政党間の対立は横断的にみれば一様ではなく、政策的には二大政党化が選挙区レベルにまで浸透していないといえる。第2に、多くの選挙区では候補者間で主張の違いがありながらも、それが投票参加に影響していない。先行研究として、有権者は支持候補の当落がもたらす利益の得失差をより大きく認知するほど投票に行くとの議論や、そうした認知上の差がわが国では小さくなっているとの指摘があるが、これらを踏まえれば、候補者の議論が有権者に正確に届かず、認知上の差を生まないことが、上記結果に至る一因と考えられる。第3に、衆議院の委員会でみられる議員の主張は自らの立場を明確に示すものばかりではなく、また委員会採決の際、議員は概ね政党単位で結束して行動するため、選挙では政党内でばらつきのあった主張がこの時点で収斂をみることになる。よって、その是非は別にして、委員会審議では、選挙での候補者の主張や有権者認知の内容とは異なる事態が生じることがある。第4に、有権者が公約を認知する際に誤解が生じていること、また公約に対する有権者の信頼や関心の低下が指摘され、有権者の多数は自らの意思が国の決定に反映されていないと考えている。この背景には、上述の通り、選挙で多くの候補者の主張が曖昧か、政党ごとに収斂していないために有権者にわかりにくく、そもそも必ずしも有権者の関心に即す内容等ではないこと、また議会での上記のような行動や選挙時との主張のギャップが上記有権者意識に影響していると考えられる。
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