バイオメカニクスを用いたクロマグロの遊泳・移動能力の解明
Project/Area Number |
07J53312
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
田村 優美子 Kinki University, 農学研究科, 特別研究員DC2
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 生体力学 / 形態機能 / 遊泳運動 / 代謝率 / 行動情報 |
Research Abstract |
本研究ではクロマグロの遊泳・移動能力について生体力学的に解明することを目的とし,本種の鰭や遊泳運動などが遊泳に果たす役割について考察する。今回,遊泳時の鰭の開閉と速度,加速度を計測できる小型記録計を個体に装着し,行動情報(鰭の開閉,遊泳速度・深度,姿勢角度,尾鰭振動数)を記録することができた。行動情報から胸鰭を閉じる時には尾鰭振動数が増加し,それに伴って遊泳速度が増加する傾向が示された。これは,遊泳速度が遅い時ほど自重を支持するだけの揚力を胸鰭で発生させる必要があり,速度によって胸鰭を開閉することで形態機能である揚力発生を調整する可能性を示唆している。本種遊泳時の酸素消費量を計測可能な実験システムを作製し,幼魚(全長15.5-18.5cm)を遊泳させて遊泳速度ごとに酸素消費量を計測した。同時に高速デジタルビデオカメラを用いて1/110秒間隔で遊泳運動を計測する一連の実験システムを構築した。計測した酸素消費量からクロマグロ幼魚の消費エネルギーを推定するために必要な代謝率を見積もることができ,本種幼魚の代謝率は同サバ科のマサバよりも大きい可能性が示唆された。詳細な遊泳運動計測データから導出した遊泳運動関数と遊泳行動情報を解析条件として組み込んだCFD解析結果から,尾鰭振動により流体抵抗は大きく増加しないことが示唆された。また,本種の遊泳運動は尾鰭振動数の増加よりも振幅が体幅の1/2を超えると抗力係数が急激に増加することが示された。遊泳時の流体力特性から見積もった遊泳運動エネルギーと消費エネルギーを比較すると,本種幼魚の消費エネルギーのほとんどは体温維持などに費やされている可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)