コバネヒョウタンナガカメムシの雄による付属腺物質を使った雌の再交尾抑制機構の解明
Project/Area Number |
07J54183
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日室 千尋 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 交尾抑制物質 / 再交尾抑制戦術 / 性的対立 / コバネヒョウタンナガカメムシ / 射精物 / 拮抗的共進化 / 軍拡競走 / 再交尾抑制物質 |
Research Abstract |
1.コバネヒョウタンナガカメムシTogo hemipterus雄は、付属腺に含まれている交尾抑制物質を用いて雌の再交尾を抑制している。今年度はその交尾抑制物質の同定を進めたが、熱変性するという性質も関係し、アミノ酸配列決定までは至らなかった。現在新たな方策を用いて同定を進めている。 2.昆虫類をはじめとする多くの生物で見られる雌の多回交尾を巡って、雄は他雄との精子競争を避ける方向に強い選択圧が働いた結果、様々な戦術を進化させている。一方、雌に対しては雄の適応的戦術から被るコスト(捕食圧の増加、寿命の短縮、多回交尾の利益の損失など)を下げる方向へ選択圧がかかる。この雌雄間で逆方向に働く選択は、性的対立を生み出す。雌に不利な雄の適応的変化に対し、雌は対抗適応し、それに対し雄は更に適応する拮抗的共進化により、雌雄の形質に軍拡競走が起こっていると考えられている。本種雄は射精の際に交尾抑制物質を送り込むことで、雌の再交尾を抑制させている。このような雄由来の物質は雌にとっては異物であり、しばしば"毒"になりうる。それに対し、雌はそれを分解する酵素を作るなど何らかの対抗戦術を採ることで、雌雄間の形質に軍拡競走が起こっていると考えられる。本種は通常、短翅型で移動能力が低く、個体群間で遺伝子交流が少ないと考えられるので、軍拡競走の程度が隔離された個体群ごとで異なっていると考えられる。そこで岡山個体群と京都個体群を用いた個体群間交尾によって拮抗的共進化にギャップを生じさせた。その結果、京都雌が岡山雄の射精物である"毒"に対抗適応できなかったために、著しく寿命が短縮した。岡山個体群、京都個体群それぞれで独自の拮抗的共進化が進んでいることが示唆された。軍拡競走を検出した研究結果は現在のところ非常に数が少なく、本研究によって特に雌雄間の対立から生じる軍拡競走の研究に一石を投じると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
日室千尋
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Journal Title
昆虫科学が拓く未来 Entomological Science and its Perspective(京都大学学術出版会)
Pages: 299-303
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