ゾアンタミン類網羅的全合成と活性発現部位の同定による骨粗鬆症薬への展開
Project/Area Number |
07J55051
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 尚基 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 天然物合成 / ゾアンタミン / 骨粗鬆症 / ゾアンテノール |
Research Abstract |
高齢化社会の現代日本において骨粗鬆症は患者数が増加し、その克服が社会的に強く望まれている病気の一つである。ゾアンテノールに代表されるゾアンタミン類には高い骨粗鬆症抑制活性があることが報告されており、さらにそれ以外にも抗腫瘍性や血小板凝集抑制活性など数多くの生物活性を有していることから、新規創薬シーズとして注目されている。しかしこれらの生物活性の発現機構は未だ解明されておらず、また天然からの供給にも限界がある。そこで私は構造活性相関による生物活性発現機構の解明を目指してゾアンテノールの全合成研究を行った。 ゾアンテノールの合成研究における最大の課題は3つの四級炭素を有する分子中央部の構築である。そこで分子中央B環部の構築を検討し、分子内溝呂木-Heck反応を種々条件検討して得られた最適条件で行ったところ、B環部の環化とともに四級炭素の構築も同時に行われ、高収率で環化体を得ることに成功した。溝呂木-Heck反応を用いた四級炭素の構築は非常に報告例が少なく、この反応は新しい炭素骨格構築法として有機合成化学分野に大きく貢献するものである。 その後ヨウ化サマリウムによる水酸基の還元的除去、およびサマリウムカルベノイドを用いたメチル化により全ての官能基を有するABC環部の構築に成功した。最後に含水酢酸中反応させることでFG環部およびDE環部を順次環化させ、ゾアンテノールBn保護体を得ることに成功した。このDEFG環部の構築法は他のゾアンタミン類の合成研究にも応用できる。最後にフェノールの保護基であるBn基を除去するため接触水素化を行ったところ、ゾアンテノールに相当するマススペクトルを観測することが出来た。今後、最終工程における最適保護基および反応条件を検討しゾアンテノールのNMRスペクトルを観測したいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)