Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
今年度は,研究実施計画に基づき,マイクロホンでの受音信号のみから,室内の伝達関数および音源の放射指向特性の抽出についての検討を行った. 室内伝達関数(=インパルス応答)は残響時間が0.1秒程度であっても4000〜5000と大変大きいタップ数となり,推定が困難である.そこで本研究では,最初に室内の原音情報の抽出を行うこととした.室内残響を含んだ受音信号から原音情報を高精度に抽出する従来法として,LIMEアルゴリズムが提案されている.しかし,従来のLIMEアルゴリズムは広帯域では正常に動作しないという問題があった.そこで,本研究ではその問題点を明らかにし,従来法の前段と後段に白色化フィルタ演算を適用することによって広帯域においても良好に動作する残響除去アルゴリズムWhite-LIMEを考案した. さらに,White-LIMEから得られた原音情報と受音信号を用いることにより,室内インパルス応答の抽出を可能とした. 抽出した室内インパルス応答には,室内の残響成分を音源の放射指向特性が混合された状態となる.そこで,抽出した応答のうち,壁面からの初期反射音が到来するまでの時間の応答は放射指向特性の応答であることを明らかにした.さらに,昨年度考案した原音の位置情報抽出法と各マイクロホンの位置情報を用いて,抽出したインパルス応答から放射指向特性の応答のみを抽出することを可能とした. 以上の検討により,マイクロホンアレイ信号処理を用いて音源の位置情報,原音情報,室内インパルス応答,そして放射指向特性解析と抽出が可能となった.
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