Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
フォトニック結晶は,光の波長オーダの周期構造を基礎として,発光現象や光伝搬特性などの光の性質の多様な制御を可能とする次世代の光材料である.特に3次元フォトニック結晶は,3次元的に全方向に対する光の制御を可能とする構造である.本研究の目的は,3次元結晶による光制御に関して,その性能を明らかにし,発光制御等への応用を探索することである.昨年度,外部からのアクセスや操作を高い自由度で実現し得る概念として,3次元結晶の表面の利用を提案した.本年度は,以下の検討を行い,表面応用の概念を発展させた.1.表面におけるナノ共振器の高性能化を検討した.(1)GaAs系8層積層型3次元結晶を精密に実現し,10,000を超えるQ値を得た.これは,3次元結晶を用いた共振器の世界最高値を記録した結果であり,ナノレーザ応用等への可能性を明快にする成果である.(2)発光デバイス実現に向けて,発光材料と結晶表面との融合手法を検討し,ウエハ融着法により共振器ならびにInGaAsP系発光材料を表面に形成することが可能であることを示した.(3)表面共振器のQ値について理論検討を行い,表面層およびその近傍層を含めた構造設計により,数10万以上の高Q値化などの高性能化が期待できることを見出した.2.発光源や受光素子の集積化に向けて,表面導波路の提案と解析・実証を行った.(1)理論的に,自在な偏光特性をもつ導波路が形成可能であること,上下非対称性をもつ表面においても14層の積層により~dB/cm以下の低損失導波が可能であること等,特有の性能を明らかにした,(2)表面導波路構造を実現し,導波光の実験観察に成功した.以上のように,本研究では,独自の表面光制御技術の提案と実証に成功した.これらの成果は,表面と各種物質との融合により,超高効率な発光素子や,動的な特性変調が可能な機能素子等への応用に繋がるものと期待できる.
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