スピルオーバー効果を利用したハイブリッド型高性能触媒の開発
Project/Area Number |
08232222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤本 薫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30011026)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ゼオライト / 水素化分解 / パラフィン / 貴金属触媒 / 異性化 / カルベニウムイオン |
Research Abstract |
硝酸による脱アルミニウム処理によりZSM-5と同等までSiO_2/Al_2O_3比を高めたモデナイト、およびUSY型ゼオライトを調製し、水素のスピルオーバー効果を得るために含浸法により調製したPd/SiO_2をゼオライトに対して等重量物理混合したハイブリッド触媒を用いて各種C7パラフィンの水素化分解を行った。 パラフィンの水素分解反応では、水素のスピルオーバーによりゼオライト上にプロトンが供給され活性が向上するとともに、同時に生成するハイドライドにより中間体カチオンが安定化されるためこれらの重合、および重合物の分解が抑制され分解生成物は少数のパラフィンに限定された。 各種C7パラフィンの反応性にはゼオライトにより大きな違いが認められ、モルデナイト、USY型ゼオライトでは2,4-ジメチルペンタン(DMP)>2-メチルヘキサン(MHK)>ヘプタン(NHP)の順となった。これらの序列はH-ZSM-5ハイブリッド触媒と全く逆である。H-ZSM-5ハイブリッド触媒では、2-MHK、2,4-DMPではW/Fを0に外挿したときの分解の選択性は0に近い値になるが、NHPでは40%以上の高い分解の選択性を示すことである。これらの実験結果からモルデナイト、USY型ゼオライトではパラフィンの水素化分解において従来から広く受け入れられてきたカルベニウムイオンのβ開裂により分解が進行するが、その酸強度、および酸量から予想されるよりも遥かに高い活性を示すH-ZSM-5では、プロトン化シクロプロパン環を中間体として分解が進行することが示唆された。ヘプタンの転化率(異性化反応を含む)が酸強度がモルデナイトよりも低いH-ZSM-5が高いことから、H-ZSM-5の狭い細孔構造がプロトン化シクロプロパン環型中間体の安定化に寄与し、優れた炭化水素の反応の場となっている可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)