ヘムオキシゲナーゼの構造と機能との関連(特に酸素活性化について)
Project/Area Number |
08249101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉田 匡 山形大学, 医学部, 教授 (10004673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 浩 山形県テクノポリス財団生物ラジカル研究所, 主任研究員 (80228957)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / オキシゲナーゼ / 酸素活性化機構 / ヘム / ヘムの分解 / CO / ビリベルジン / ビリルビン |
Research Abstract |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)はヘムをビリベルジン,CO,鉄に酸化的に分解するミクロソーム酵素である.本酵素によるヘム分解反応では基質であるヘムが酸素活性化のための補欠分子族としても機能しているという特異な反応機構を持つ.反応機構は複雑であり,中間代謝産物としてヒドロキシヘム,ベルドヘム,ビリベルジン・鉄錯塩が存在する.この間の反応は本酵素の上で逐次的に進行し,しかもヒドロキシヘム,ベルドヘムからの反応でもそれぞれ一分子の酸素が消費されるので,三つの連続したモノオキシゲナーゼ反応が一つの酵素蛋白の上で起こっていることになる. 今回,私共はα-ヒドロキシヘムを化学合成しヘムオキシゲナーゼとの複合体を作り,それら複合体の性質や反応機構を各種生物物理学的測定法を用いて検討した.その結果次の事実が知られた. 1.酸化型α-ヒドロキシヘムはヒドロキシル基のプロトンが外れたオキソフロリン構造をとっていること.2.酸素に曝すとポルフィリン環が酸化され,構造未知の物質に転換すること.3.この物質に一電子を供給すると速やかにベルドヘムに転換すること.4.還元型ヒドロキシヘムは酸化型とは異なりオキソフロリン構造を取らないこと.5.この還元型に酸素を導入すると速やかにベルドヘムに転換すること.などが知られた.以上の結果から,ヒドロムキシヘムからベルドヘムに至る反応では一当量の還元力と酸素分子が必須であることが知られた.然し,酸素が先か電子が先かについては未だ決着がついていない. その他ベルドヘム・HO複合体も作り検討したところ,ベルドヘム・HO複合体の吸収像は私共が以前688nm物質と称した中間体のそれと同じであり,従ってベルドヘムが実際に中間体であることの最終的な結論が得られた.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)