Ras・MAPキナーゼシグナルを抑制し、アポトーシスを誘導する新しい分泌性蛋白質
Project/Area Number |
08265205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡野 栄之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (60160694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤本 和延 筑波大学, 基礎医学系, 助手 (90282350)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | Ras / MAPキナーゼ / シグナル伝達 / アポトーシス / 分泌性蛋白質 / Argos / ショウジョウバエ / 複眼 |
Research Abstract |
Argosは、EGFモチーフを有する分泌性蛋白質であり、ショウジョウバエの発生過程において細胞外よりRas/MAPK系の情報伝達を制御することにより細胞分化の調節を行っている。複眼特異的に発現する転写因子のGlassの結合領域を含む発現ベクターpGMRを用いて、複眼特異的にArgosを過剰発現するトランスジェニックフライ(GMR-argos)を作成した。GMR-argosの複眼を走査型電子顕微鏡で観察したところ、個眼の配列が不規則であり、個眼の数が著しく減少していることが明らかになった。さらに、切片を作成して観察したところ、光受容細胞及び色素細胞の数が減少していることが明らかになった。Argosを過剰発現した複眼をアクリジンオレンジで染色して観察したところ、野生型にくらべ細胞死が亢進していることが明らかになった。この細胞死がp35、diap1、diap2を共発現することにより有意に抑圧されたことから、ArgosによるRas/MAPK系の情報伝達の低下がICEファミリーのプロテアーゼを介するアポトーシスを誘導したものと解される。さらに、ArgosによるRas/MAPK情報伝達の抑制とアポトーシス誘導に関与する未知の分子の探索を目的として、GMR-argosの表現型を抑圧または増悪させるような変異体のスクリーニングを開始した。GMR-argosトランスジーンをゲノム上で安定化させるために、P因子転移酵素によりバランサー染色体へ再転移させた。現在この系統を、変異誘発剤であるEMSを摂食させた個体と交配し、GMR-argosの表現型を変化させる新しい変異体のスクリーニングを行っている。また、Argosの作用機序を生化学的に解析するための種々の準備を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)