カルシウムチャネル、カルシウムATPaseおよびリアノジン受容体の機能協関
Project/Area Number |
08268248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
中井 淳一 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80237198)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | リアノジン受容体 / カルシウムチャネル / 興奮収縮連関 / cDNA発現 / 蛍光カルシウム測定 / パッチクランプ / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
骨格筋においてカルシウムチャネルとリアノジン受容体は興奮収縮連関の中心的役割を果たしている。この2つの分子は細胞内で直接カップリングし情報伝達を行っている。本研究では骨格筋型リアノジン受容体(RyR-1)遺伝子を人工的に破壊したマウス(dyspedic mouse)から骨格筋細胞を単離・培養し、心筋型リアノジン受容体(RyR-2)cDNAをこの細胞に発現させて、RyR-2が興奮収縮連関に及ぼす影響とカルシウムチャネルのチャネル活性に及ぼす影響をパッチクランプ法と蛍光カルシウム測定法を用いて調べた。 RyR-2を発現した細胞では自発性の収縮が見られ,収縮にともない細胞内カルシウムの増加が観察された。RyR-2を発現した細胞をwhole-cellパッチクランプ法により電位固定しカルシウム電流と細胞内カルシウムの同時測定を行った結果、カルシウム電流密度は低く、RyR-1の発現で見られるようなカルシウム電流の増加はRyR-2では見られなかった。またこのときdepolarization-induced calcium releaseは観察されなかった。L型カルシウムチャネルのキメラであるCSk3(リピートIIとリピートIIIの間の細胞内ループにのみ骨格筋型のアミノ酸反列を持つ)をRyR-2とともに発現させると,もカルシウム電流を生成しcalcium-induced calcium relaseが認められた。さらに電子顕微鏡写真を撮影し解析したところ、RyR-2が横管と筋小胞体の間のjunctionに発現していることが確認された。 以上のことから、RyR-2はcalcium-induced calcium releaseによる興奮収縮連関を起しうるが、RyR-1が持つ相互情報伝達機能つまりカルシウムチャネル活性を増加させる機能と骨格筋型の興奮収縮を媒介する機能のいずれも持たないことが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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