Project/Area Number |
08640192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
解析学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾畑 伸明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (10169360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 誠 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (70252228)
南 和彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 講師 (40271530)
市原 完治 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (00112293)
熊谷 隆 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90234509)
三宅 正武 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70019496)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 量子確率 / ホワイトノイズ超関数 / ボゾン・フォック空間 / 量子散逸 / 量子スピン系 / 確率微分方程式 / 無限次元調和解析 / ガウス空間 |
Research Abstract |
ホワイトノイズ超関数に作用する作用素の統一理論は、94年に出版された私の著書で一通りの完成を見たが、最近のホワイトノイズ超関数論の発展に合わせて、理論を組み立て直す必要が出てきた。本研究では、まず、増大度の条件を緩めたホワイトノイズ超関数でベクトル値の場合も含むように、従来の理論を発展させた。応用として、量子適合過程・量子的マルチンゲ-ルの一般化と特徴づけが得られた。この理論では、ホワイトノイズの高次の巾乗を取り扱うことができるが、これは確率解析を非線形の方向で一般化するための基礎になるのではないか、という知見を得た。関連する量子的伊藤公式の導出は興味深い課題として残った。別の応用として、ある種の量子確率微分方程式の解の一意存在定理を証明し、ウィック指数関数による解の構成を論じた。また、散逸を含む量子系を記述する量子ランジュヴァン方程式もこの範疇で捉えることができた。解の滑らかさは、極めて興味深い問題である。本研究では、古典的な微分方程式における手法が応用できるか、との関連で研究を開始したが、今のところ手探りの状態である。量子系の中心極限定理も本研究に含まれる課題であったが、群や超群上のランダムウォークのスペクトル解析を背景に、新しい組合せ論的アプローチを開発した。その結果、新しい極限分布の族が構成され、ウィグナーの半円則とその変形が得られた。この流れでダイソンのランダム行列モデルを解析することは今後の課題となった。シュレ-ディンガー作用素の固有値問題・量子スピン系・フラクタル上の確率過程などを量子確率論の観点から見直すことで、これらは今後の研究の展開の上で重要であると認識を新たにした。 本研究遂行にあたり、研究代表者・分担者ともに海外も含め多くの研究集会で口頭発表し、周辺研究者との交流を深めた。また、来日中の外国人研究者や国内研究者多数をセミナーに招待することができ有意義な研究討論を行なった。
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Report
(1 results)
Research Products
(18 results)