Project/Area Number |
08640717
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松坂 裕之 東京都立大学, 理学部, 助教授 (50221586)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ルテニウム / イリジウム / 二核錯体 / カルコゲノレート / アルキン / オレフィン / イソシアニド / ポリスルフィド |
Research Abstract |
本研究では、金属酵素の活性部位等にみられる多核貴金属ユニットに注目し、複数の貴金属原子間をカルコゲン原子により架橋した多核貴金属サイトを新規に設計・創出し、多核金属反応場での有機分子の特異的変換反応を開発することを目的として検討を行い、以下に記す2種類の新規二核錯体の合成と、二核サイト上での新しい分子変換反応を見いだした。 (1)チオレート架橋二核ルテニウム錯体上でのアルキン分子の特異的カップリング反応 チオレート架橋二核ルテニウム錯体[Cp^+Ru(μ_2-SPr^i)]_2上で種々のアルキン類の特異的カップリング反応が室温程度の穏和な条件下で選択的に進行し、一連の新規二核ルテナシクロペンテニル錯体が生成することを見いだした。さらにこれらの化合物とBu^+NCとの反応によりルテナシクロペンテニルユニットの二核サイト上での形式的なDinuclear Reductive Elimination反応により二核η^1:η^2-μ_2-アルケニル錯体へと誘導できることも明らかにした。得られた新規化合物は全てX線解析により構造の詳細を明らかにした。 (2)新規二核イリジウムチオレート錯体およびチオレート・ノナスルフィド錯体の合成 [Cp^+lrCl_2]_2をPr^iSHと反応させることにより、チオレートにより架橋された新規二核lr(lll)錯体[Cp^+lrCl(μ_2-SPr^i)]_2が高収率で生成した。これをナトリウムアマルガムで還元することにより、二核lr(ll)錯体[Cp^+lr(μ_2-SPr^i)]_2が収率良く得られ、さらにこのlr(ll)錯体をS_8で処理するとこれまでに知られている化合物としては最大サイズのポリスルフィド配位金属錯体であるCp^+lr(μ_2-SPr^i)_2(μ_2-S_9)へと誘導できた。得られた新規化合物は全てX線解析により構造の詳細を明らかにした。
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