π受容性架橋配位子を用いた複合機能を有する三次元配位超分子の構築
Project/Area Number |
08640729
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
黒田 孝義 近畿大学, 理工学部, 講師 (80257964)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 架橋配位子 / シアノ基 / 2,6-ジシアノナフタレン / 2,5-ジメチルテレフタロニトリル |
Research Abstract |
本研究においては主に、π受容性を有する架橋配位子の合成と、それらを用いた配位高分子化合物の合成と構造解析を中心に研究を推進してきた。その結果、以下のことが明らかとなった。 1.2,6-ジシアノナフタレン(dcn)の合成とその銀(I)錯体の構造 この配位子の合成は対応する臭化物からシアノ基を導入することにより合成した。この配位子と、銅(I)及び銀(I)との錯体生成を試みたが、単結晶構造解析が可能な大きさの結晶が得られたのは、AgCF3SO3との系のみであった。得られた構造は銀にdcnが2配位してジグザグの1次元鎖を形成しておりさらに、この鎖が銀に架橋配位した対アニオンにより連結された2次元シート状構造を形成していた。 2.2,5-ジメチルテレフタロニトリル(dmtpn)の銀(I)錯体の合成と構造 この配位と銅(I)とからは3次元ダイヤモンド型錯体ポリマーが生成したが、銀(I)(AgPF6)とは2次元平面構造を形成することがわかった。このとき、Ag(I)は平面4配位に近い歪んだ四面体型配位構造を有しており、またC-N-Ag角も通常期待される180°から大きくずれていた。(143〜160°) 3.1,4-及び1,5-ジシアノナフトキノンジイミン(dcnnqi)の合成とその銅(I)錯体の合成 1,4-dcnnqiについては既に配位子の合成法は確立されているが、1,5-dcnnqiについては報告例がないため対応するジアミンからの合成を行った。いずれの配位子も強い酸化力を有し銅(I)と混合すると銅(II)を生成し、黒色沈澱化合物を生成した。この沈澱中にはいずれも配位子を含んでおり、低いながら伝導性もあった。今後、構造解析可能な大きさの単結晶の育成を中心にさらに研究を推進していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)