Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Research Abstract |
シンクロトロン放射光を光源とし,原料としてDEZn,DETeを用いて、ZnTe(100)基板上にホモエピタキシャル成長を試みた。光源としては,岡崎国立共同研究機構分子科学研究所の極端紫外光施設にあるシンクロトロン放射光(BL-8A白色光)を使用した。表面反応を積極的に利用するため,原料供給時の成長室圧力を10^<-5>Torr程度とし,原料の供給方法として,交互に原料ガスを供給した場合と両原料を同時に供給した場合との双方を試み比較検討した。成長温度は,室温で実施した。交互供給の場合,非常に平坦な表面をもつエピタキシャル層が得られたが,ある限られた原料供給量範囲でしか原子層成長が達成できないことが分かった。これは,DETe原料の付着係数が非常に小さいためであると予想された。そこで,このことを明確にするため,XPSによる分析実験と成長実験双方を試みた。分析実験の場合,解析が容易なGaAs基板を用いるとDEZnとDETeに対し付着係数の違いが認められないことが分かり,成長実験の結果と矛盾していた。これは原料DETeがGa面と強く結合するためと考えられ,ZnTe基板を用いて分析実験を継続した。この場合,基板による信号と原料による信号とが重なり,解析が困難であり,現在も継続して測定データーを検討している。成長実験に関しては,各々の原料供給量が成長にどのような影響を及ぼすかを明らかにするため,同時供給法により一方の原料供給量を固定し,他方の原料供給量を変えた実験を試みた。その結果,交互供給した場合と異なり,光強度を反映した膜厚分布を有した成長層しか得られなかったが,この実験から,DETeの付着係数が小さいことを示唆する実験結果が得られ,DEZn供給量に比べDETe供給量を20倍程度多くすることにより良好な表面状態のエピタキシャル層が得られることを示した。最後に,結晶品質について議論するため,成長層のフォトルミネッセンス測定を試みた。本成長法による成長層のフォトルミネッセンススペクトルに関してはこれまで報告例がなかったが,本研究により初めてこれが達成できた。
|