Project/Area Number |
08660365
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
林 俊春 山口大学, 農学部, 教授 (90111484)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 将弘 山口大学, 農学部, 助手 (30274187)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Keywords | インスリン依存型糖尿病 / 自己免疫疾患 / 耐糖能異常 / レオウイルス2型 / マウス / 膵島細胞傷害 / Dimethylthiourea / ヒドロキシルラジカル |
Research Abstract |
ヒトおよび動物のインスリン依存型糖尿病(IDDM)は自己免疫疾患の一つと考えられている。その発症機構には、遺伝因子を含めた生体内部および外部の環境因子が様々な程度に関与していることが示唆されているが、その詳細な機序については、不明な点が多い。本研究ではIDDMの原因または引き金の一つと目されているウイルス誘導糖尿病について、レオウイルス2型と乳のみマウスのモデル系を用いて、特に活性酸素の膵島細胞傷害の機序について検討した。 本研究では、活性酸素のうち、特に細胞傷害性が強いとされるヒドロキシルラジカル(OH)に注目し、この分子の効果的な消去剤であるDimethylthiourea(DMTU)処置の病態に及ぼす影響を調べた。レオウイルス2型感染マウスではウイルスの直接増殖によるβ細胞の破壊によってではなく、その後の宿主の炎症〜免疫担当細胞による膵島細胞破壊の結果耐糖能異常を示すが、DMTU処置により、この異常は改善された。一方、この処置によって、膵島炎の発現頻度とその程度、脾臓中のLFA-1陽性細胞数とその割合、末梢血中の白血球数とその百分比、膵臓中のウイルス力価には影響がなかった。しかし、膵島細胞の変性〜壊死の程度は軽度となっていた。以上のことから、レオウイルス2型誘導耐糖能異常マウスにおける膵島細胞傷害は、膵島細胞抗原を認識するT細胞によるものばかりではなく、浸潤した白血球、毛細血管内皮細胞あるいは膵島細胞から生成〜放出されたOHが関与することが示唆された。
|