温度・圧力制御によるデンプンを主成分とするプラスチック状新物質の創製と機能解析
Project/Area Number |
08660400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
生物資源科学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 寛一 広島大学, 生物生産学部, 教授 (30034474)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 生分解性プラスチック / デンプン / 加圧加熱処理 / 熱ゲル化 / グリセリン / 加圧効果 / 反応速度 |
Research Abstract |
本研究では、デンプンを主成分とする生物資源を利用した生分解性プラスチックの創製を目的として、温度100℃〜130℃、圧力0.1MPa〜50MPaの範囲で、デンプン-水-多価アルコール類混合物を加圧加熱処理し、反応精製したゲル状物質の機械的物性等の機能を評価することを目的とした。得られた研究成果の概要は以下のとおりである。本研究では、デンプンにはバレイショデンプン、多価アルコールにはグリセリンを用いた。 1、プラスチック状物質の生成条件としては、温度に加えて圧力の付与が不可欠であった。圧力を加えず加熱だけで生成するゲルは、水への溶解性が高く、強度も低かった。 2、生成したプラスチック状物質は、加熱温度が高いほど、また、温度が同一の場合は加熱時間の長いほど生成時の硬さは低下する傾向を示した。 3、プラスチック状物質の物性に与える圧力の影響については、常圧から10MPa付近までと10MPa付近から50MPaまでとは異なった傾向を示し、反応速度と圧力の関係及び活性化エネルギーの値から、付与する圧力の範囲によって熱ゲル化反応の機構が異なることが示唆された。 4、プラスチック状物質生成の反応性と物性については、デンプン・水・グリセリンの混合比率が大きく影響し、グリセリン比率が高くなると反応性が低下して脆いゲルが生成し、グリセリンの比率が低いとプラスチック状物質とはならなかった。従って、良好なプラスチック状物質を創製するためには、材料の適切な混合比率が存在するもの考え各種濃度を検討した結果、デンプン:水:グリセリンが2 : 1 : 1の場合のゲル物性が良好であることを認めた。 5、材料混合系および生成物質のDSC測定を行った結果、グリセリンの存在により、185℃付近にピークをもつ大きな吸熱反応が観察され、その吸熱量が反応条件に対して傾向的に変化したことから、DSC測定が、反応機構の解析に有効である知見を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)