心筋梗塞後のリモデリングにエンドセリンおよびその受容体遺伝子の発現が関与する
Project/Area Number |
08670789
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 昌 京都大学, 医学研究科, 助手 (30227178)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | エンドセリン / 心筋梗塞 / 心室リモデリング / 心肥大 / 線維化 |
Research Abstract |
エンドセリン(ET)は平滑筋収縮作用の他に血管平滑筋や心筋細胞を肥大させ、線維芽細胞の増殖を促すことが知られている。心筋梗塞後の心室リモデリングは壊死した心筋組織を修復、代償するため、線維化と残存心筋細胞肥大を来す生体の防御機構である反面、過度のリモデリングは拡張能の低下や心筋虚血の憎悪をもたらし、予後を悪化させる。その防止は心筋梗塞の後治療として重要な課題である。我々は心筋梗塞後の血中ETが増大することから、梗塞後の心室リモデリングに内因性のET及びET受容体が関与するという仮説を考えて以下の実験を行った。麻酔開胸下にWistar rat(10週齡)の冠動脈を結紮し、心筋梗塞を作製。開胸後、3時間、3日、1週、1ヶ月後にsacrificeし心臓を摘出した。生存率は各々71%、50%、45%、30%であり、実験完遂個体数を各群8とした。ET拮抗薬は1ヶ月後の生存率を55%へと有意に改善した。摘出心の重量測定後、左室のみ分離しmidventricleの全周性横断スライスを10%ホルマリンで固定後、パラフィン包埋を行い、H.E.染色、M.T.染色切片を作製した。心重量は無投薬群で1ヶ月後約13±5%増大したが治療群では7±3%と抑制傾向を示した。1ヶ月後の心筋細胞径の増大は壊死近傍の残存心筋において著明であったが(+35±8%)、ET拮抗薬は有意にこれを抑制した(+10±4%)。1ヶ月後の線維化率は左室全体の30±7%であったがET拮抗薬で変化しなかった(26±6%)。以上よりETは心室リモデリングの細胞肥大に関連しているように思われた。現在心筋ホモジェネートを用いてプレプロET-1、ETA受容体のmRNA量を検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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