ヒト神経膠腫の発癌機構へのloss of imprinting (LOI)の関与
Project/Area Number |
08671561
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上野 眞二 東北大学, 医学部, 助手 (60271897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 哲也 東北大学, 医学部, 教授 (00107509)
吉本 高志 東北大学, 医学部, 教授 (50091765)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | genomic imprinting / glioma / IGF2 / H19 / human / cancer |
Research Abstract |
神経膠腫におけるgenomic imprinting (GI)の異常をIGF2とH19の両遺伝子で解析し、神経膠腫発生への関与を検討することを目的とした。GIの異常であるloss of imprinting (LOI)は新しい発癌機構と考えられ、多くの胎児性、成人癌で観察されている。GIは一部の遺伝子に見られる一方の対立遺伝子(allele)のみが選択的に発現する現象であり、GIの破綻により両方のalleleが発現する現象がL0Iである。正常組織では増殖因子であるinsulin-like growth factor II (IGF2)、癌抑制遺伝子候補であるH19等にGIが存在することが明らかになっている。 対象としては、神経膠腫28例を用い、そのうちloss of heterozygosityを示す例は除外した。IGF2とH19の両遺伝子のGIの状態を、それぞれのexon内にあるApaI、RsaI多型を指標にDNA- RNA-PCR-RFLP法を用いて検討した。IGF2では、多型を呈した神経膠腫14例中8例(57.1%)(malignant glioma 6/10、low grade glioma 2/3)にL0Iを認めた。H19は13例が多型を呈したがL0Iは1例も認めなかった。 本研究によりヒト神経膠腫において増殖因子遺伝子であるIGF2が高頻度にL0Iを呈することが明らかになった。これはGIの異常が、神経膠腫の発生・進展にも関与している可能性を示唆する最初の発見である。今後、DNA methylationを含めgenomic imprintingを正常に維持する機構を解析することが重要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)