歯周病原性細菌の付着因子複合体を構成する蛋白質の分子生物学的解析
Project/Area Number |
08672194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
阿座上 弘行 山口大学, 農学部, 助手 (40263850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯本 浩通 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60284303)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 歯周病 / Eikenella corrodens / 付着因子 / 遺伝子クローニング / 遺伝子発現 / モノクローナル抗体 / 外膜蛋白質 |
Research Abstract |
歯周病原性細菌Eikenella corrodensは、菌体表層のレクチン様付着因子(LS)を介してヒト類粘膜上皮細胞への付着、口腔内異種細菌との凝集、B細胞の活性化を行う。よってLSは歯周病の発症・進行に関与すると考えられる。近年、LSが外膜に強固に結合した高分子量の複合体であることがわかった。そこで、LS構成蛋白をコードする遺伝子をクローニングし、その構造および機能を推察した。 E corrodens 1073の精製LSを還元下でSDS-PAGEを行うと約300kDaと45kDaの二つのバンドに分離した。そこでこの45kDaの蛋白のN末アミノ酸配列を決定し、これを基にPCR法およびコロニーハイブリ法により、遺伝子クローニングを行った。この遺伝子のDNA塩基配列を決定し、さらにT7発現系を用いて大腸菌内で大量発現、精製した。その予想アミノ酸配列は病原性Neisseriaのポーリン蛋白と高い相同性が見られ、付着因子本体を菌体表層に固定化することが示唆された。また数種のEikenella臨床分離株について調べたが、本遺伝子は強い付着性と病原性を示す1073株においてのみ認められ、本遺伝子と歯周病原性との関連性が示唆された。 一方、付着・凝集活性を阻害する抗LSモノクローナル抗体を用いたイムノスクリーニングにより、遺伝子ライブラリーから数個の陽性クローンを得た。これらのクローンからはいずれも抗LS抗体と強く反応する25kDaの蛋白が大量に発現していた。また、その予想アミノ酸配列は膜結合型蛋白のトポロジーを有しており、この蛋白は外膜上でLS複合体の糖鎖認識部位の近傍に位置することが示唆された。 今回、分子生物学的手法により解析した2つの蛋白質はLS複合体を構成し、E.corrodensによる歯周病の発症と進行に深く関与することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)