アルツハイマー病βアミロイドペプチドのアミノ末端構造の決定と代謝に関する研究
Project/Area Number |
08672554
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Biological pharmacy
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
西道 隆臣 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部門, 研究員 (80205690)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | アルツハイマー病 / ベータアミロイド / プロテアーゼ / アミノペプチダーゼ / 老化 / 神経変性 / 代謝異常 / アポリポ蛋白質 |
Research Abstract |
脳に蓄積するアルツハイマー病βアミロイドペプチドは、多様な構造を示す。その意義を検討するため、標準型βアミロイド(1-40/42)以外に、アミノ末端にD体アスパラギン酸、イソアスパラギン酸、ピログルタミン酸(pyroGlu)を有するものや、16アミノ酸残基のかけたものを識別する抗体を調整した。その結果、生化学的な量において、前痴呆段階老人・ダウン症患者・家族性アルツハイマー病患者・孤発性アルツハイマー病患者の全てに普遍的に存在する分子種は、1(D-Asp)-42および3(pyroGlu)-42であることがはじめて明らかになった。特に量的には、3(pyroGlu)-42が顕著である。さらに、この分子種に対するモノクローナル抗体を樹立し、酵素免疫定量法を確立した。また、修飾型βアミロイドが脳の不溶画分のみならず、可溶画分に蓄積に先行して存在することを確認した。βアミロイド蓄積機構を理解する上できわめて重要な知見であると考えられる。 また、本研究によって得られたβアミロイドの構造に関する情報に基づいて、脳内のβアミロイド代謝系の律速過程に関する予測を行った。すなわち、「脳内におけるβアミロイドペプチドの分解過程の律速をアミノペプチダーゼが担う。ある種のアミノペプチダーゼ活性の低下がアミロイド代謝の停留、ひいては、蓄積の促進の促す。」という仮説(「アミノペプチダーゼ仮説」)を提唱した。D体アミノ酸やピログルタミン酸をアミノ末端に有するペプチドは、一般に、主要な細胞質外アミノペプチダーゼに対して耐性であることを根拠としている。本仮説に基づいて、アルツハイマー病の生化学的マーカーを検索したところ、有望な候補を見いだした。将来、アルツハイマー病の予防法の開発へと発展する可能性が期待される。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)