Na^<+/>H^+交換輸送体の構造と機能・細胞外シグナルによる活性化のメカニズム
Project/Area Number |
08680709
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
若林 繁夫 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室長 (70158583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 俊太郎 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, レジデント研究員
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | Na^+ / H^+ exchanger (NHE) / 増殖因子 / カルモデュリン / タンパク質リン酸化 / プロテインキナーゼ / ドメイン構造 |
Research Abstract |
(1)普遍型NHE1の欠失変異タンパク質の詳細な研究から、我々はその細胞質ドメインが細胞内pH依存性の観点から少なくとも4つのサブドメインからなることを明らかにした。このうち、ドメインIII(aa635-656)はカルモデュリン結合/阻害ドメインであり、ドメインI(aa515-595)は細胞内pHを生理的な範囲に維持するのに重要なドメインである。また、ドメインIは細胞内ATP枯渇に伴うNHE1活性阻害に関与する領域であることを明らかにした。 (2)NHE1の増殖因子による活性化の機構とシグナル伝達を明らかにする一つのアプローチとして、NHE1活性調節を失った変異細胞を分離することを試みた。高い細胞内pHを持つ細胞を選択的に殺すことのできるヨード酢酸を用いて、変異剤処理した細胞から増殖因子の反応性が低下した細胞株を分離した。分離した細胞はトロンビン、PDGF、ホルボールエステル等の刺激に反応してのアルカリ化の程度が50%以下に低下しているとともに基質への接着性が低下していることが明らかになった。この結果はインテグリン系の何らかの異常によって、NHE1の増殖因子に対する反応性が影響を受けることを示しており、増殖因子とインテグリン系とのクロストークがNHE1活性調節に関与することが示唆された。 (3)腎臓や小腸の上皮細胞のapical側に局在しNa^+吸収に重要な役割を担うNHE3は、NHE1と同様にカルモデュリンを結合する。様々な融合タンパク質やペプチドを作成し、最終的にNHE3細胞質ドメイン内のaa660-690をCaM結合部位として同定した。CaM結合はCa^<2+>依存的であり、その親和性はかなり高い(Kd=〜50nM)。またCaM結合部位の近傍にはPKAのリン酸化部位が存在し、このリン酸化によってCaM結合が阻害された。この領域はcAMPによるNHE3活性阻害に関与する領域の一つであるとされており、腎臓NHE3がCaM結合とリン酸化とのバランスによってPTH等のホルモン制御を受ける可能性が考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)