長期抑制制御分子と小脳シナプス形成機構に関する分子神経解剖学的研究
Project/Area Number |
08680805
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 雅彦 北海道大学, 医学部, 助教授 (70210945)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / グルタミン酸トランスポーター / ノックアウトマウス / 小脳 / プルキン工細胞 / 平行線維 / 登上線維 |
Research Abstract |
小脳長期抑制は、登上線維/プルキンエ細胞間シナプスおよび平行線維/プルキンエ細胞巻シナプスにおける神経伝達活動に依存して生ずるシナプス可塑性現象で、運動学習の基盤と考えられている。本研究では、小脳長期抑制に関与している1)イオンチャネル型グルタミン酸受容体δ2サブユニット、2)代謝型グルタミン酸受容体mGluR1、3)蛋白リン酸化酵素PKCγの3種の機能分子に注目して、プルキンエ細胞におけるこれらの分子の発現局在と分子欠損に伴うシナプス形成異常を分子神経解剖学的観点から解析を行った。 その結果、δ2サブユニットは胎生期から成熟期に至るまで小脳プルキンエに特異的に発現する分子であることが判明した。その遺伝子ノックアウトは、平行線維シナプスの著明な減少をもたらし、登上線維の成熟が阻害され、小脳長期抑制現象が消失し、運動学習に障害が生じた。これに対して、プルキンエ細胞に高濃度に発現することが知られているmGluR1およびRKCγの分子欠損は、平行線維シナプスの形成には影響を及ぼさなかったが、登上線維シナプスの成熟が著しく阻害され、長期抑制現象が消失し、運動学習に障害が生じた。これらの事実は、イオンチャネル型のグルタミン酸と代謝型グルタミン酸カスケードがシナプスの成熟と可塑性に対して重要な役割を果たしているが、シナプス形成に対する寄与という点ではそれぞれの分子機構が異なる役割を担っていることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)