Project/Area Number |
08710095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
青木 多寿子 岡山大学, 教育学部, 講師 (10212367)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 形容詞の意味 / 身長との関連 / 第2次成長 / 言語の獲得 / 心理的意味 / 認知発達 |
Research Abstract |
本研究では「大きい」「重い」「強い」という形容詞を用い、幼児から中学生までの被験者を対象に、これらの言葉の使い分けと体格の関係を調査した。なぜなら、幼児にとって大きく見える犬も、中学生にとっては小さな犬に過ぎないし、幼児からみれば「お兄さん」「お姉さん」である小学生は、中学生から見れば、小さな、弱い子どもにすぎず、体格とこれらの言葉の使い分けに関係が見いだせると考えたからである。 従来、発達心理学では、小学校高学年から中学生にかけての第二次成長期に、身長が急激に伸び、自我が形成されることを示してきた。しかし、これらのことと、認知の発達とは別のことだと考えられてきた。けれども、体の大きさによって、言葉が使い分けられると考えると、急激に身長の増加する第二次成長期と認知の関連を考えることができることになり、従来の発達心理学に認知の発達を組み込むことができる。 そこで本研究では、幼児(年長児)から中学2年生までの9年齢層の幼児・児童・生徒を被験者とし、身近な人たち(お父さん、お母さん、赤ちゃんなど9種類)と、動物(トラ、ハト、ウサギなど11種類)をとりあげ、写真の豊富なわかりやすい質問紙を作成し、7階段で評定してもらった。幼児は個別に面接した。その結果、確かに、年齢によって、大きい、強い、重い、という言葉には使い分けがあり、その区別は、身長という要因も関係していると考えられるが、その関係は単純でなく、身長だけでなく、カテゴリーとも関連していることが伺えた(たとえば、「中学生」のカテゴリーに入る人から見れば、小学生は小さい)。加えて、お父さんは、お母さんよりも、祖父母よりも、大きく、強く、重いと思う傾向が中2まで続いていた。これに対して、母親、祖父母が被験者の年齢とともに弱く評定されていた。このことから、これらの形容詞には、心理的な意味も含まれて語彙の意味判断が成されていることがわかった。
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