Project/Area Number |
08710141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
西田 芳正 大阪府立大学, 社会福祉学部, 講師 (10254450)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 階層 / 教育達成 / 都市 / 生活史 / エスノグラフィー |
Research Abstract |
高度経済成長期にブルーカラーの家族が流入することで形成された「文化住宅」密集地域における人間形成のプロセスと地域生活の特徴を生活史インタビューと参与観察によって明らかにすることが本研究の目的である。これまで、青年とその親へのインタビュー、教師、地域活動および福祉に関係する人々に対するヒアリングを実施し、得られたテープ記録の整理、分析を行っている。現段階までに得られた知見を以下に示す。 人間形成のプロセスの特徴としては、1)狭く密集した住環境ではあるが親密な家族生活が営まれている。2)大学進学率など教育達成水準は低いが、もともと高学歴ホワイトカラーが志望される度合が低く、競争的雰囲気は見られない。また、地域社会の特徴として、1)生活構造とライフステージを同じくする人々が短期間に大量に流入。2)その際、近親者の呼び寄せ傾向が見られ、近親間で、さらに近隣間で相互扶助が行われてきた。3)町内会活動も活発である。4)土着層と流入層の間に葛藤が見られる。5)行動空間および意識空間の狭さと同質性が見られ、それが前記のアスピレーション水準の低さの背景となっていることが予想される。 ・上記したのは現段階での仮説的な整理であり、継続した調査研究が必要である。まず、これまでの対象者が比較的安定した生活を営んでいる層に限定されているため、この地域に比較的多く存在する生活困難層にまで対象を広げる必要がある。また、近年地域活動の停滞、縮小が見られ、その変容過程を明らかにすることも課題となる。さらに、複数の中学校でのヒアリングから、特に生徒指導のあり方に学校間で大きな違いが見い出された。その背景には地域性と教師文化の相違があるものと思われる。当初想定していなかった課題ではあるが、今後取り組むべきテーマである。
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