Project/Area Number |
08720029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Civil law
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
曽野 裕夫 金沢大学, 法学部, 助教授 (60272936)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 契約法 / 交渉 |
Research Abstract |
契約課程における交渉力濫用という現象への法的対応の在り方を解明すべく、今年度においては次の4つの小課題を設定し、検討を行った。 1.競争秩序の民事法的規制の在り方については、すでに独禁法違反行為の民事法的規制に関して序論的検討を行っていたが(金沢法学38巻1=2号掲載)、引き続き今年度は不正競争防止法の平成2年改正を契機に、不正競争行為禁圧への意識の萌芽が裁判例の『深層』においてみられることを明らかにした(未発表)。競争秩序と交渉秩序の連関を、とくに独禁法上の「優越的地位の濫用」規制を素材に検討することが残された課題である。 2.次に、法ルールが交渉環境に与える影響の解釈論的考察として予定していた「売主担保責任の裁判外追及と期間制限」の問題は検討を終え、刊行を待っている段階である(校正済)。このいわば試作品に対して学界の批判を仰いだうえで、より直接的に交渉を規整する詐欺・強迫等の民事法ルールの解釈論的考察に進むことが今後の課題である。 3.比較法的考察としては、英米契約法における《既存義務の準則》についてすでに加えてある検討をまとめる予定であったが、契約法の世界的急展開の出発点についての理解を確固たるものとすべく予定を変更し、ウィーン売買条約の検討を行った。その成果は、『国際統一売買法』(商事法務研究会刊)として翻訳出版した。残された《既存義務の準則》の検討の成果の公表は、次期にずれ込むこととなったが、公表を急ぎたい。 4.交渉学研究の最新状況のフォローアップを行うために資料収集・情報収集を行った結果、デフォルト・ルール(初期設定規定)論をめぐってアメリカで議論の展開が見られることが判明した。今後、法ルールの交渉環境への影響を分析する視角構築に資するため、検討したい。
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