Project/Area Number |
08740413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 隆哉 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20243131)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 分子動力学法 / ゲルマン酸塩 / 高圧相転移 / ダイヤモンドアンビルセル / X線回折 / ポストルチル相 / 圧力誘起非晶質化 |
Research Abstract |
本研究ではGeO_2とMgGeO_3に関して、分子動力学法(MD法)を用いた、高圧下での構造相転移について研究することを主目的とした。 原子間相互作用としてBorn-Mayer型のポテンシャルを採用した。パラメータは現在までに報告されている多形の結晶構造、体積弾性率を再現できるようにMD法によって決定した。計算にはプログラムWMIN、MXDTRICLを用いた。得られたパラメータは数%以下の誤差で構造、物性を再現でき、ゲルマン酸について初めての信頼できるパラメータである。このパラメータを用いて以下の構造相転移について検討した。 〈GeO_2〉圧力誘起非晶質化の機構の解明とポストルチル相の探索を行った。非晶質化は実験で知られている転移圧とほぼ同じ圧力で再現され、この転移がGeの配位数の4配位から6配位への変化を伴っていること、酸素の最密充填面がこの転移を通じて保持されていることが明かになった。ポストルチル相に関しては、室温下80GPaでCaCl_2型に相転移する可能性が示唆される結果を得た。このタイプの転移は、SiO_2(スティショバイト)のポストルチル転移の候補としても指摘されており、現在実験的な検証を進行中である。 〈MgGeO_3〉単斜輝石構造を出発構造とし、室温下での加圧による構造変化をMD法を用いて調べた。結果は、約10GPaでこれまでMgGeO_3で報告のないタイプの構造相転移が起こる可能性を示唆し、その転移がGeの配位数変化を伴うことを予測した。そこでダイヤモンドアンビルセルを使った高圧X線回折実験その場観察を行い検証を試みた。その結果、15〜23GPaで回折図形が変化することを見い出した。この変化は、圧力の絶対値は数GPaの不一致であるものの、これまでMgGeO_3の単斜輝石について報告されている構造相転移では説明できず、今回のMD法による予測と同一の構造相転移を観察した可能性がある。
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