低温全収集分光装置を用いた酸化物薄膜の表面電子構造評価
Project/Area Number |
08750032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川崎 雅司 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (90286112)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 光電子分光 / 全収集分光 / 高温超伝導 / 電子状態 / 酸化物 / 表面 / 界面 / ジョセフソン接合 |
Research Abstract |
本研究では、酸化物薄膜の表面、異種界面でのフェルミ準位近傍の電子状態を、独自に開発した全収集分光法により調べた。通常の光電子分光法では感度が低いこと(信号カウント数で3〜4桁のダイナミックレンジ)、超伝導状態を評価できるためのエネルギー分解能を有していないこと(通常50meV、かなりの工夫をして30meV)が障害となり、詳細なデータが得られていない。 我々は、通常の光電子分光とは全く逆の発想に基づく全収集分光を用いた光電子分光装置を自作した。通常法での欠点は全て、電子のエネルギー分析器を使用することから発生する。新手法では電子のエネルギー分析を行わず、その替わりに、励起光源のエネルギーをスキャンすることで電子状態の分光を行う。そのため、ダイナミックレンジは7桁に向上し、エネルギー分解能を約10meVまで向上した。 本年度は、薄膜サンプルを清浄な雰囲気を保ったまま輸送できるトランスファーシステムを自作した。Bi系単結晶試料において、超伝導ギャップの観測に成功した。YBCO薄膜についても、成膜チャンバーから清浄雰囲気で搬送した試料について、フェルミ準位端の電子占有状態の温度変化を詳細に調べた。c-軸方向では半導体的な性質を持つのに対して、ab-面内では金属的な振る舞いが観測され、この材料の異方性を電子状態から明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)