超伝導線の局所的不安定性を考慮したクエンチ発生・伝搬に関する研究
Project/Area Number |
08750327
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電力工学・電気機器工学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 直樹 名古屋大学, 理工科学総合研究センター(寄附研究部門), 助教授 (20228555)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 超伝導線 / 液体ヘリウム / クエンチ / 弱点破壊 / ワイブル統計解析 / 局所的不安定性 / 前駆現象 / 高速度ビデオ |
Research Abstract |
本研究では,超伝導線のクエンチ現象を種々の弱点による局所的不安定性に起因する確率的現象としてとらえ,クエンチ電流値のばらつきに関する統計的解析を行うとともに,クエンチ前駆現象の電気的・光学的同時観測を行った.本研究によって得られた知見を以下にまとめて示す. 1.交流用超伝導線のクエンチ電流値を同一実験条件下において繰り返し測定し,そのばらつきを弱点破壊理論に基づくワイブル統計解析によって評価した.その結果,クエンチ電流値のワイブルプロットが混合ワイプル分布型となる場合があることから,超伝導線にはばらつきの小さい本質的な弱点と,ばらつきの大きい別種の弱点とが混在している可能性を示唆した. 2.クエンチ時のジュール発熱に伴う液体ヘリウム中の気泡の発生状況について,高速度ビデオを用いて高時間分解観測した.その結果,超伝導線上の局所的領域から液体ヘリウムの核沸騰が観測され,その挙動からクエンチの前駆現象であると推測した. 3.高速度ビデオで観測した液体ヘリウムの局所的擾乱について,画像処理技術を用いて定量的に検討した.クエンチの光学的測定と電気的測定との同期を取ることにより,液体ヘリウムの局所的擾乱が超伝導線に沿った膜沸騰状態の気泡へ成長する過程を明確化した. 4.超伝導コイルにおけるクエンチ試験から,クエンチ発生個所を電気的・光学的に標定した.その結果,クエンチ発生個所は通電電流による自己磁界の高いコイル両端部以外にも分散しており,クエンチが確率的現象であることを裏付けた.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)