Project/Area Number |
08750355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新保 一成 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80272855)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 光異性化 / アゾベンゼン / シアニン色素 / 吸着LB法 / 会合体 / 熱刺激電流 / 全反射減衰法 |
Research Abstract |
拡散吸着LB法は、水溶性分子の会合体形成・配向制御に優れた方法である。本研究では、さらに累積基板に電圧を印加して分子の会合体形成・配向制御を能動的に行った。これによってLB膜の構造と光学的・電気的特性を制御すると共に、両親媒性分子に光異性化分子であるアゾベンゼン(Az)を用い、Az光異性化によるLB膜の諸物性の変化についても検討した。これらの結果は、LB膜の光・電子機能制御や、光異性化分子LB膜による光メモリ・スイッチング素子構築などに役立つものと思われる。 シアニン色素は光増感材の一種であり、多様な会合体を形成することで知られている。まず、水溶性シアニン色素吸着アラキジン酸LB膜について、電圧印加して試料を作製し、その光学的・電気的特性を測定した。水面および水相中においてシアニン色素は正、アラキジン酸は負に帯電しているが、累積基板に電圧を印加することによってこれらの相互作用は変化し、LB膜内における色素会合体の形状と配向性、色素吸着量は変化した。さらに、これらの会合体の形成は水相となるシアニン色素水溶液濃度に強く依存した。また、LB膜の電流電圧特性は電圧印加と色素濃度によって大きく変化し、LB膜の光学的・電気的特性の制御が可能であることが示された。 次に、両親媒性Azについて電圧を印加しない状態でシアニン色素吸着LB膜を作製し、その、光・電気特性について検討を行った。これより、可動イオンがLB膜の分極および電気伝導に関連していること、またAzの光異性化によるシアニン色素会合体形状、伝導電流、分極現象、短絡光電流の変化も確認した。また、熱処理による光特性変化について光吸収と全反射減衰(ATR)法によって詳しく調べた。すなわち、可視光吸収特性からKramers-Kronigの関係式を使って熱処理前後の複素誘電率の計算を行い、ATR法での結果と比較した。これらはよい対応を示し、ATRスペクトル熱処理変化の波長依存性が、LB膜の異常分散によって説明された。これらの結果は、光メモリや光スイッチング素子などの光デバイスへの応用に役立つものと思われる。なお、現在電圧印加によって試料を作製し、LB膜の構造と光・電気特性についてさらに詳しく調べている。
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