Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
石灰安定処理土の凍上抑制効果に与える影響因子を明確にするため土中の水分特定に着目し,各種の改良条件でpF試験,透水試験および凍上試験を行った。 安定処理土は添加率や養生日数の延長により凍上量が減少し,特に養生日数の影響が顕著であった。日数と凍上性に密接な関係がみられることは,時間経過に伴う複数の反応のうち長期反応であるポゾラン反応が凍上抑制と密接に関係している。しかし,一般に考えられている安定処理土の凍上抑制原理の一つである透水性の低下は比較的短期間で一定値に収束し,養生日数と一義的な関係にある凍上抑制効果との関連性は低いことが確認された。また,本研究では凍結面への水分移動力の評価として土中水分のエネルギー状態をpF試験の結果から考察した。その曲線形状などから間隙の種類や構造を評価できる水分分布曲線を求めることにより,養生による安定処理土の間隙構造(サクション)の変化を明確にすることができた。凍上性を示した未改良土は高pF領域の水分量が多く,高いサクション力を有していた。これに対し,安定処理土は日数の延長に伴い高pF領域の水分量が減少し,低pF領域の水分が増加する傾向にあることが判った。すなわち,安定処理の凍上抑制の発現機構としては透水性の低下ではなく,凍結面への水分供給力(サクション)の低下によるものが大きいことが明確にされた。
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