Project/Area Number |
08750826
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Material processing/treatments
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伏見 公志 北海道大学, 工学部, 助手 (20271645)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | マイクロインピーダンス法 / 局部腐食前前駆過程 / プローブ / 微小電極 / 限界電流 / 電極間距離 / ポテンショスタット |
Research Abstract |
1.鉄および炭素鋼などの金属表面の電極特性を微小領域毎に評価する走査プローブ顕微鏡の構築を試みた。プローブは、試料表面近傍に配置した2本の微小電極であり、微小電極間に交流正弦電圧を印加し、同期する電流応答(マイクロインピーダンス)を計測する設計とした。微小電極には、先端径を100μm程度に絞ったガラス管内に0.5mmφの白金線を挿入したものを作製した。プローブ電極は、位置決め分解能0.1μmのXY軸およびZ軸ステージをオートマイクロエンコーダにより走査した。また、試料表面観察用にCRT上で250倍の光学顕微鏡を取り付けた。 2.プローブと試料の電極間距離は、再現性良く制御する必要があった。まず、光学顕微鏡による制御法を検討したが、プローブが破壊するなどして、操作性および再現性に優れなかった。そこで、プローブ電極に別途直径10μmの微小ディスク電極を取り付け、酸化還元体を含む溶液中において定電位分極した際の限界電流を指標とする電極間距離制御法を導入した。微小電極上の拡散層の厚さ以内にプローブが試料に接近すると、限界電流は再現性良く試料の伝導性により変化した(絶縁体試料の場合、減少し、導電体試料場合には増加した)。この方法により、定量的に電極間距離の基準点を定めることが可能となった。 3.原理上、マイクロインピーダンスは2つの微小電極間に存在する溶液の抵抗と容量に依存し、面分解能はプローブをより微小とすることにより向上することが予想された。本研究では、研究室に既存していたポテンショスタット、ファンクションジェネレーターおよびロックインアンプにより、先端径100μmの自作電極を用いて、濃度の異なる水酸化ナトリウム水溶液のマイクロインピーダンスを試験測定したが、重畳印加電圧を数100mVとしても、溶液濃度に依存するマイクロインピーダンスの有意差を測定することができなかった。原因としては、微小電極自身の内部インピーダンスが大きいためにノイズレベルが高いこと、およびポテンショスタットの周波数応答性が悪いことが考えられた。微小電極の改善とともにポテンショスタットの改良あるいは新規導入を検討する必要があることが明らかとなった。
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