宇宙用電気推進機のビーム発散と作動不安定に関する研究
Project/Area Number |
08751065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aerospace engineering
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
平川 美晴 東海大学, 工学部, 講師 (90276783)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 宇宙用電気推進 / ホールスラスタ / 粒子シミュレーション / 不安定現象 |
Research Abstract |
宇宙用電気推進機の一種であるホールスラスタのプラズマを対象として数値解析を行い,排気ビームの発散やプラズマの不安定現象について調べた.具体的には,電子,イオン,および中性粒子をすべて粒子モデルで扱う粒子シミュレーション(Particle-in-Cell法+モンテカルロ法)を用いた.この結果,ホールスラスタの放電室(プラズマが生成・加速される領域)に印加した外部磁場が放電室よりも下流に染み出していると下流に静電場が形成され,それによってイオンの軌道が影響を受けてビーム発散角が増加することがわかった.この電場は電子とイオンの密度差によって形成されるものであり,電子の挙動が磁場の影響を受けやすいことに起因している.したがって磁場形状を変化させることによってビームの発散角を変えることができると予想される.また,シミュレーションの結果,放電室内に時間的および空間的な(周方向の)プラズマ変動が観察された.更にこの変動によって形成される周方向電界によって電子の軸方向の移動が促進され,放電特性やビームの発散角が影響を受けることがわかった.このような周方向の電子の動きは加速部の壁を構成している絶縁材のエロ-ジョン,ひいてはスラスタの寿命とも関係があると思われるため,今後もさらなる考察が必要である.一方,壁からの二次電子放出によっても電子の陽極方向への移動度が増加することが以前から予想されており,その現象も確認されたが,その影響はプラズマ変動が電子の移動に与える影響よりも小さいこともわかった.静電場の形成によるビーム発散,プラズマ不安定現象などの現象は従来の流体モデルでは取り扱うことができず,本研究によってはじめて解析が可能になったものであり,スラスタの設計に有用な情報が得られたと思われる.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)