液体クロマトグラフィー/質量分析法による先天性代謝異常症の診断に関する研究
Project/Area Number |
08770556
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶田 光春 名古屋大学, 医学部, 助手 (60242856)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 質量分析法 / GC / MS / LC / 有機酸代謝異常症 / コレステロール代謝異常 |
Research Abstract |
1.有機酸代謝異常症が疑われる症例について有機溶媒とウレアーゼ処理法の両抽出法を用いてGC/MSによる有機酸分析を施行した。ウレアーゼ処理ではアミノ酸や糖類、ピリミジンなども同時に検出される利点があるが、感度がやや悪く、多数のピークの重なりが生じることなどで微量の代謝物の検出が困難なことがある。有機溶媒抽出では、抽出時間が長くかかるものの、かなり細かいピークの有機酸も検出できる。一般のスクリーニングではウレアーゼ法を利用するのが簡便で良いが、精査の必要な検体では有機溶媒抽出法による分析を同時に行うべきであると思われた。 2.新生児期に高アンモニア血症を呈した男児オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症例についてGC/MSおよびLC/MSによる有機酸の経時的分析を施行した。病初期においては、著明な高アンモニアにもかかわらず尿中ウラシル・オロット酸の排泄が比較的低値でGC/MSによる診断が困難であった。LCによるピリミジン分析では早期より高値を示し、早期診断に有用であった。有機酸代謝異常症などでは、病日によって代謝物プロフィールが変化することがあり、経時的な分析と、今回のオロット酸のように抽出効率や感度的に問題のある物質の測定にはLCによる分析の併用が必要であることが示唆された。 3.先天性奇形症候群とされている疾患の中には代謝異常などをきたす遺伝子異常が発見されてきている。Smith-Lemuli-Opitz症候群ではコレステロール代謝経路に障害があり8-デヒドロコレステロール(8-DC)が高値を示すことがわかっている。GC/MSを用いて、8-DCを含むコレステロール代謝経路の物質の一斉分析法を確立するための予備的実験を行った。今後はさらにLC/MS/MSによる、より特異的な分析法の開発を行っていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)