Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
ヒト肝細胞の産生する大腸癌細胞に対する増殖因子の解析. 1.ヒト肝細胞培養上清中の増殖因子の性質の検討. ヒト肝細胞をSV40T抗原でトランスフォームしたヒト肝細胞株tPH5CHの培養上清をヒト大腸癌細胞株HT29の培養液に50%の割合で添加した.細胞増殖はAlamarblue assayで検討した.癌細胞の増殖は培養2日目において、対照に比し約2倍に促進された.tPH5CHの培養上清中に存在する大腸癌細胞に対する増殖因子の解析を行った. (1)<酸塩基に対する安定性.> 酸(1N酢酸,60分)により100%失活した.一方,アルカリ(1N NaOH60分)には安定であった. <熱に対する安定性.> 熱(56℃20分,86℃5分)で部分失活(30〜40%)した.凍結(-80℃)では安定であった. (2)<分子量の同定> 限外濾過により,分子量分画別の活性を検討したところ,MW0〜30kDa,30kDa〜100kDa,100kDa〜,のそれぞれの分画で少しずつ活性があり,分子量の異なる複数の因子の存在か示唆された. (3)<培養上清混合率の変化> ヒト大腸癌細胞株HT29の培養液に添加する混合比率を変化させて増殖率を検討した.その結果,培養上清の混合率に比例して増殖促進効果は高くなり,10%以下では増殖促進効果に有意差を認めなかった. (4)現在,既知の増殖因子の特異抗体,中和抗体を用いて特異抗体による阻害試験を検討中である.
|